ハイスペ女子( )のよこしまな所感

元社畜・現育休中30歳OVER女子( )の日々の所感。

元東大美女( )が「HIS×東大美女図鑑のセクハラ問題」に言及する

大手旅行会社HISと東大美女図鑑のコラボレーション企画(?)が、「セクハラだ」という批判を受けて取りやめになったというニュースが話題になっていますね。

www.asahi.com

f:id:shimaneco21:20160512175807j:image
私は今やおよそ30歳のBBAなのですが、およそ10年前は「東大美女」としてメディアに出演したことがあります。(身バレしたくないので詳細は割愛)
そんな私が今回のニュースで思うところを書きたいと思います。
 
さて、ネットの反応を見ていると「この企画気持ち悪い」と不快感をあらわにする人もいれば、「ネットの一部の意見なんて気にすることないのに」「嫉妬だろ」とHIS側を擁護する意見の人もいるようです。
 
さて私の意見は、 「できる男は不倫する」の著書などで有名な 松岡宏行氏のツイートに近いところがあります。

 

「不快」なのはなぜか?

まずは企画に不快感を感じた人の立場から考えたいと思います。
松岡宏行氏の指摘する通り、これが「東大生が隣でウンチクウンチク話をしてくれる」という趣旨であれば、おそらく批判は出なかったと思います。
また、明らかに容姿や外見を売りにしているような職業の人、例えばアイドルが隣に座っておしゃべりしてくれるツアーであったとしても、取りやめになるほどの騒ぎにはならなかったと思います。
やはり「東大美女」だからこその騒動ですよね。
 
それはなぜなのか?
まず一つ考えられるのは、ネットでも見受けられた意見ですが「嫉妬」。
頭も良くて美しいというのは、正直羨ましいです。この気持ちは理解しやすいと思います。醜い心だということはわかっていながらも、そのような感情が湧いてしまうのは人間しかたがないものかと思います。外見も学歴もコンプレックスを刺激しやすいものですしね。
ただそれをHISに苦情入れるほどまでのエネルギーを使うかというのは個人の問題でしょうか。
 
しかし嫉妬とは切り離して、純粋に正義感から「これはセクハラだ」と思った人もいるのではないかな、と思います。
東大に入学するためには(例えばアイドルとは違って)外見の美しさや愛嬌の良さなどで評価されることはありません。
なので、本来外見の良さが関係ないはずのフィールドで、「外見を売りにした、女性を売りにした商売を大手企業がしている」ということを正義感から問題視した人がいるのではないかと。
 

当人は売りにしたい

例えば、上記のような意見がありました。頭の良さで評価され外見で評価されない世界にいながらわざわざ外見や女性で評価されようとしているという違和感。
 
そういう考えの人もいることは理解できます。
東大生であろうが、そうでなかろうが、女性には「外見で評価されたくない」という人と「外見で評価されたい」という人がそれぞれいます。どちらかが間違っているとか、おかしいとか、そういうものでもありません。
「外見で評価されたくない」と考えている人からすると、今回の東大美女たちの行動は理解できないと思います。そのような人からすると「せっかく外見が関係ない場で勝負できるのに、どうしてわざわざ?」と思うわけです。
 
私も10年前は「外見でも評価されたい」と思っていたイタイ子でした。そういう人からすると「東大美女」というのは乗るしかないビッグウェーブです。
 
東大にいると女性が少ないせいか美女のハードルは下がるので、外見で「美しい!」と評価してもらえる機会は、同じ顔面偏差値の非東大生より多くなります。「外見で評価されたい」欲求がかなり満たされやすいです。
またメディアに取り上げてもらえるチャンスも多くあります。在学中「雑誌に出る美人東大生を探している」とか「テレビに興味ある東大女子探している」という話はよくありました。「外見で評価されたい」人からするとこのようなチャンスがあるのは嬉しいものです。
 
今回の騒動の東大美女たちは間違いなく「外見で評価されたい」子たちです。さらに言えば東大にいて頭がいいことも自覚していると思いますので、「外見で評価されたい」子たちと言うべきかもしれません。あるいは、単なる「美女」としては戦えないので、「東大」ブランドで武装しているわけです。
本人たちはこの「東大美女」という価値に乗りたくて乗っています。
 
「外見で評価されたくない」人からするとこのような「外見で評価されたい」人の心理は理解しがたいかもしれません。
なので「評価されたくない」派からすれば、今回の「外見で評価」された東大女性が商品になっている状況を「セクハラ」と感じてしまう人がいるのは仕方がないことだと思います。
 
ちなみに念のため補足しておくと「外見で評価されたくない人」イコール「非美人」「ブス」とは限りません。また、「外見で評価されたい人」イコール「美人」とは限らないと思っています。
 

そもそも「東大美女図鑑」ですから

さて今回の件の東大美女たちは、「東大美女図鑑」の人たちです。

stems-ut.jp

「東大美女図鑑」は、「勉強一辺倒で大学生活を楽しんでいない」という従来の東大女性のイメージを打破し、東大女性と東京大学のイメージアップを図るために、東大文科一二類26組のクラスメイトを中心とした男女7名によって、2013年3月24日に活動を開始しました。「東大美女図鑑」は、東大女性のイメージ向上に貢献することで、女子学生比率がわずか18.2%(2012年現在)である東大の女子受験者数増加を目指しています。 

「東大美女図鑑」とは東大女性のイメージアップを目指すサークル…ですかね。
私の在学中には存在しなかったので実際学内でどのような位置づけなのか等はわからないのですが、もう団体名からして、モデルとして所属している女子たちは「外見で評価されたい」人たちですよね。
「東大美女図鑑に所属してます!」って、自分が美女だと評価されるに値するという自信がないと、そうそう言えません。
元東大美女( )だった私からすれば、東大女子図鑑の「東大女子のイメージアップ」や「東大受験者の女子率の増加」など、後付けの目標にしか思えません笑。別にそれが悪いことだとは思いません。
 
「東大美女図鑑」は「外見で評価されたい東大女子」が束になることでメディアへの影響力を強めたな、と感じています。今まで個々に存在していた「外見で評価されたい東大女子」が集まって、「東大女子のイメージアップ」という大義名分をひっさげたら、そりゃメディア露出増えますよね。評価欲求が強いだけでなく、それに伴う行動力のある学生たちだと思います。
 

HISは学生側から提案されたんじゃなかろうか

ここからは自分の想像になるのですが(ここまでも想像で書いていたものもありますが…)今回の「HIS×東大美女」の企画は学生から、つまり東大美女図鑑から持ちかけたのではないかなぁと思います。
本団体に限らず、行動力のある意識の高い大学生は、ビジネスに興味を持ち会社との接点を探して、勉強会や企画をすることがありますよね。「外見評価」してもらいたい東大美女図鑑はメディア露出してなんぼですから、常に露出させてもらえるところ、協力してくれる会社を探しているはずです。
大手企業が大学の1サークルである「東大美女図鑑」にいきなり目をつけるというのは少し考えづらいですよね。
「こんなセクハラ企画、社内で止める人はいなかったのか?」という意見もネットで見ましたが、もしHISが一から「美女を隣に乗せるツアーを企画しよう」と考えようとしていたとするならば、社内でも賛否両論だったかもしれません。美女の方から話を持ちかけてきたので、会社の担当者もセクハラ感を感じなかったのかもしれません。
推測にすぎないですけどね。
 

セクハラ問題の難しさ

ハラスメント問題は何であれ難しい問題だと思うのですが、セクハラに関して言えば、「外見で評価されたい人」が受けたくて受けている行動を「外見で評価されたくない人」が見て嫌味でも嫉妬でもなんでもなく「セクハラだ!」と感じる事例があるのは事実だと思います。

今回がまさにそれかと。

 「外見で評価されたい人」と一口に言っても、許容できる程度は人それぞれだとも思います。「外見で評価されたくない人」でも自分と関係ないならばどうでもいいという人もいるでしょう。

今回の件について言えば、「外見で評価されてる本人が評価されたいんだから別にいいじゃん」「東大という武器を携えて外見の評価を上げたいんだから東大美女バリューに便乗したって別にいいじゃん」と、私は個人的には思います。

しかし会社としてはそのようなデリケートな問題で、しかも主収益でもなんでもない企画で炎上するのは、何もいいことがないので、一番不快に思う人に合わせて早めに取りやめにしておくのが無難…というところですよね。やむを得ないのかな、と思います。

 

ところで私なら文学部3年生の方とお話ししてみたいですね。