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ハイスペ女子( )のよこしまな所感

元社畜・現育休中30歳OVER女子( )の日々の所感。

何が変わるのか?小児かかりつけ医制度について調べてみた

育児 社会 システム

そのうち大人にも関係してきそうな「かかりつけ医制度」について調べてみました。

 

小児かかりつけ医制度ってなんだ?

The Stethoscope

息子が風邪をひいたようなので、近所の病院へ行ってきました。

息子は保育園に行っていないからか待機児童だからね!、保育園に通っている同年代の子供と比べると風邪をひく頻度が低いように思います。なので病院は久々でした。

すると病院受付で「4月から小児かかりつけ医制度というものが始まっていまして、本病院は対象の病院なので、もしよければ同意をいただけませんか」と説明を受け、制度の簡単な説明書と同意書を手渡された。

「あれ、なんか聞いたことあったな」(ズボラ)

名前は聞いたことがあったのですが、制度の詳細はよく知らなかった私は、同意書を読む限り特に悪いことはなさそうだなと判断し、同意書にサインをしました。早く息子の診療してほしかったですし。

その後、診療や薬の処方は難なく完了し家に帰ってきたわけですが、急に「あれって同意して良かったものなのか?」と不安になってきたので、小児かかりつけ医制度について調べてみました。

ネットで簡単に調べてみると「医療機関にとってどう変わるか」という観点での説明は多くあるのですが、「親にとってどう変わるか」がわかりやすい資料がまだあまりないような印象なので、親観点で知りたい情報を集めまくってみました。

※完全に独自で調べたものなので、ご了承ください。専門の方などご指摘あればぜひお願いします。

小児かかりつけ医制度とは

今年2016年4月に制定されたばかりの制度で、対象は3才未満の乳幼児です。

 

簡単に言うと

病院「うちをかかりつけ医にしてくれたら手厚く面倒見ますよ〜!だから何かあればまずうちに来てくださいね!」(^^)

という制度です。

この制度は保護者の同意があって初めて成立します。

*どんなサポートが受けられるの?

かかりつけ医からは以下のようなサポートが受けられます。

①急性疾患を発症したときの対応の仕方の指導

アトピー性皮膚炎ぜんそくなど乳幼児期の慢性疾患に対して必要な指導や診察

③乳幼児健診の結果を把握し、発達段階に応じた助言と、保護者からの健康相談

予防接種歴を把握し、予防接種の有効性や安全性、スケジュールなどについての助言

⑤電話などによる問い合わせに常時対応

⑥患者が受診している医療機関をすべて把握し、必要に応じた連携や専門医療機関への紹介

引用元:認知症と小児のかかりつけ医、4月から患者サポート強化:朝日新聞デジタル

堅苦しく書いてありますが、

  1. 乳幼児の様々な疾患を診察します
  2. 健康診断や予防接種の情報をしっかり押さえておきます
  3. 電話での問い合わせもいつでも対応します
  4. うち以外の医療機関での診察についても把握しておきます

といったところでしょうか。

上記の1と2は「いやいや、いつもの馴染みの先生は既にやってくれてるよ。何も変わらないじゃん。」と思う人も多いのではないかと思います。

個人的に特筆すべきは3かな、と思っています。私も今までに診察に連れていくか悩んだ時に電話をしたことはあります。もちろんその時丁寧に答えてくださるのですが、、、電話での問い合わせを24時間対応って!どこのブラック企業ですか。

 ちなみに私がかかりつけ医からいただいた説明書には…f:id:shimaneco21:20160527173946j:image

連絡先の中にしっかり携帯電話の番号が記載されています。

その他近隣医療機関の連絡先も記載されていて、ここには割と近くの総合病院が挙がっています。さすがに勝手に記載しているということはないでしょうから、連携する決まりごとがあるのではないでしょうか(推測)。開業医が常時対応って実際無理があるような気がしますし…。

ちなみにこの説明書は厚生労働省から出されているテンプレか何かがあるらしく、ネットで見つかる説明書はほぼこのような形式でした。

 

また4の「うち以外にかかってる医療機関も全部把握しておきますよ!」は、今のところおそらく患者(の保護者)の自己申告でしか知りようがないことだとは思います。

ただこれは暗に「何かあったらいろんな医療機関を転々とするんじゃなくて、まず"かかりつけである"うちに来てね!うちでわからないレヴェルだったらちゃんと専門医紹介するからね!」ということとも取れます。(この件については後述)

*料金はどうなるの? 

ブラック企業と化した開業医が今までの料金体系でやっていけるはずがありません。私は「追加料金などあるの?」という疑問が湧きました。

結論から言うと患者(の保護者)の自己負担金額は今までと変わりません

ご存知の方も多いと思いますが、病院で会計をすると点数が書いてある領収書をもらいますよね。医療行為の内容にはそれぞれ点数が決められていて、実際に行った医療行為の合計点に応じて病院ではお金を払うことになっています。

詳細は以下のリンクがわかりやすいです。

tatujin.net

そして今回、「かかりつけ医として診察した」という行為にも点数がつくことになったのです。

ちなみに点数は

処方箋ありの場合:初診は602点、再診は413点

処方箋なしの場合:初診は712点、再診は523点

なんだそうです。

となると、かかりつけ医に診察してもらった場合は点数が高くなるので、支払う医療費も上がってしまう…という仕組みではあるのです。

が!2016年現在、乳幼児の医療費はほとんどの自治体が助成してくれているそうなので、見かけ上、つまり親が払うお金は制度制定前と変わらないということになっています。

(医療証がなくて自己負担で払うという場合はもちろん支払う料金は上がることになります。)

私たち患者の親が払う料金は変わらなくても、実際にかかりつけ医が受け取るお金は増えるわけですね。

各自治体の助成内容についてはよく知らないのでもしかしたら例外があったりするのかもしれません。

*どの病院もかかりつけになってくれるの?

答えはNOです。

まず「かかりつけ医」になれる医療機関は条件があります。(小児科医が常勤している診療所である…等)

また、条件に当てはまった全ての医療機関が該当するわけではなく、医療機関自体が「うちはその制度やるわ〜」と申請をしないと本制度の対象には該当しません。

実際のところどれくらいの小児診療所がかかりつけ医制度に参加しているのか、私が調べたところでは特に資料などは見つかりませんでした。しばらくすれば厚生労働省が発表するでしょうか?

 

また基本的にかかりつけ医になるのは"大きな総合病院"ではなく"町の診療所・クリニック"が対象となりますから、「なんか気分的に安心だから大学病院をかかりつけにしたい!」というのはできません。

*他の病院に行ったらダメなの?緊急時は?

かかりつけ医でないところへ診察へ行っても問題ありません

そもそも"かかりつけ医と患者"の関係には今のところ強制力はないそうで、結構自由です。

それこそ例えば「子供の意識がない!」というような緊急時にはかかりつけ医に連絡をするより救急車を呼ぶべきですし、「子供が体調を崩したがかかりつけ医が休みだ」なんて時は一駅先の別のクリニックに駆け込んでも問題ありません

ただ、他の医療機関を受診した場合は、次回かかりつけ医にかかるときにその旨を報告するというルールが一応あります。

これは患者の自己申告でしか検知されない情報なのか、はたまた保険証に基づく共通システムのようなものがあって情報を辿ることができるのか、非関係者の私にはわかりません。(元SEの知見からするとここまでのシステムは多分まだ無いと思いますが。)

*同意しなくてもいいの?

そもそもこの制度には強制力は無いので、同意しない自由はあります

ただ、同意しなかったからといって(かかりつけ医がいないからといって)、大きな総合病院に通院しやすくなるなんていうことはありません。

なので、よく行く馴染みの小児科クリニックが既にあるのであれば、かかりつけ医に成ってもらって損することは無いと思います。

その背景には?

さて、そもそもなぜ「小児かかりつけ医制度」なんてものができたのでしょうか。

その目的は医療費削減のためと言われています。

私たちの医療費は、もちろん自己負担分もありますが、それ以外のお金は保険や国のお金が使われています。

雇い主である会社からも保険料を徴収し、さらに国が多額の補填をしてようやく制度を維持できているというのが実情

引用元:増え続ける医療費 誰がどれだけ負担しているの? | THE PAGE(ザ・ページ)

その国のお金「国民医療費」は増加傾向にあり、日本のお財布に圧力をかけまくっているというのが現状です。なので、国としては国民医療費の無駄をカットしたいと考えています。

周りに、あるいは自分自身が一つの症状で複数の病院にかかるような人、いませんか?例えばそのような「必要以上に病院に行ってしまう」という行為はまさに"無駄"と考えられています。なので国としては、国民ができる限り複数の病院に行かないようにさせたく、「まず最初にかかりつけ医に行って情報を一元化」という流れを定着させようとしています。

また、「どうせかかるなら大きい総合病院や大学病院の方が安心!」「普段からかかっている方が救急で受け入れてもらいやすい!」等と考えて、ちょっとした風邪でも大学病院へ行ってしまうような方もいると思います。しかしそもそも総合病院は高度医療を提供する場ですので、安易に総合病院へ行ってしまうことにより、そのそもそもの機能を損ねる原因になってしまいます。このことも問題視されていることです。

だから「かかりつけ医」を作って、一つの医療機関がある患者さんの医療に関わる情報をすべて管理して無駄な通院をなくそう!高度医療を行う総合病院と差別化して医療をより効率化しよう!という政策に行き着きました。

患者の入り口をかかりつけ医にまとめて、そこで対処できることであれば対処する。しかし重い病であったり、専門医の知見が必要だと判断されれば、かかりつけ医を起点に他のクリニックや総合病院へ連携する、という流れを理想としているわけです。

知り合いの医者の話

高校や大学の同期も今や若手医師として働いている人が多くいます。そんな彼ら彼女らに話を聞くと基本的にかかりつけ医制度には賛成という声が多いように思います。

総合病院で働く友人によるとスタンプラリー的に通院してくる患者さんはやはりいるそうです。

一つの症状で複数の病院を転々とし、「あそこの病院ではこう言われた」「ここの病院ではこう言われた」とスタンプラリーばりに情報ばかりを集めてきちんと治療をしない人がいるわけです。

もちろん "病院や医師との合う合わない"やセカンドオピニオンの重要性もありますから、ある程度は必要なことだとは思います。

また、症状が軽いので近所のクリニック等を紹介すると「邪険にされた!」「ちゃんと診てくれていない!」と感じてしまい、また別の総合病院へ行ってしまうというケースも多いそうです。

その友人曰く「総合病院の外来にいる若手の私なんかより、街のクリニックのベテラン先生の方がよっぽどちゃんと診てくれるし的確。」「大学病院に行けばすべて教授の大先生に診てもらえると思われている節があるけれど、それは症状が重い場合」「町のクリニックを紹介されるってことは、それだけ症状が軽いということなんだから安心した方がいい」とのことです。

なので、診療所(クリニック)と総合病院がしっかり棲み分けをしていくことは賛成だそうです。

今後どうなるのか妄想

さて小児かかりつけ医制度の背景もわかったところで、「でもその割に強制力ないし、意味あるのかな?」という疑問が湧きます。

かかりつけ医に黙って総合病院に行きまくることは事実上可能です。(おそらく総合病院では「まずはかかりつけ医に行ってください」と注意されると思いますが。)

ここからは私の推測…妄想なのですが、おそらく今後はかかりつけ医制度をどんどん広げていこうとしているのだと思います。究極的には一人一人にかかりつけ医を持ってもらって、情報の一元管理や診療所と総合病院の差別化を明確にやっていきたいんだと思います。

ただいきなりは難しいので、まずは小児(※)などその影響を限定的にして、しかもあまり強制力がない制度を打ち出したのではないでしょうか。※小児以外にも認知症のかかりつけ医制度があるみたいですね。

なので、そのうち大人の私たちもかかりつけ医を決めなくてはならない時が来るかもしれません。

また、情報の一元管理も今はゆるいですが、もしかすると例えば将来的にはマイナンバーに紐付けるなどの壮大なシステム構想があるのかもしれません。元SE的な観点でいえばシステム的には作成可能です。しかしマイナンバーの普及やセキュリティ問題等、課題は山積みではあるので、すぐにということはないと思います。やるとしたら莫大なお金と時間がかかることでしょう…。(と考えると、やはり無しか?)

 

まとめ

かなり長くなってしまいましたが、私が「小児かかりつけ医制度ってなんだ?」と疑問に思って調べたことをただただまとめてみました。

既にお伝えしている通り、完全に医療素人の私が独自に調べた情報をまとめているものなので、完全に正しいことかどうかは保証できません。が、何か参考になる部分はあるかな、と思います。

今後、日本財政が医療費に圧迫されないためにも、また効率よい医療を受けるためにも、良い形で「かかりつけ医制度」が定着していくといいなぁ、と個人的には感じました。