ハイスペ女子( )のよこしまな所感

元社畜・現育休中30歳OVER女子( )の日々の所感。

子供の知能は家庭環境にかかっている…!

「美人だ」とか「運動神経がいい」だとか、人の形質は「親からの遺伝だ」と考えるのが一般的であるように思います。「頭がいい」というのもそうです。

大学の頃の専攻が生物学で、遺伝子関連の研究をしていた私からすると、このような考えは少し違和感があります。

人間の形質はもちろん遺伝もするのですが、生まれてからの環境によって左右されるところも大きいのです。

まぁ「美人」というのは完全に外見の形質なので遺伝の影響が大きいんですけれどね…。

「頭のでき」の感想メモ

要旨

本日読み終えたこちらの本、まさに「知能を決めるのは遺伝子だけじゃないんだぜ!というか遺伝子より環境の方が影響デカイぜ!」という内容の本です。

本の要旨をかなりざっくりまとめると、子供の知能を上げるには家庭環境・学校環境が大事ということが書いてあります。

生まれつき「運動神経が良い」とか「頭の回転が早い」という形質は確かにあると思います。ですが、生まれてからの育て方によっては遺伝子の差なんてすぐに埋められますよ、というわけです。

では有効な育て方とは?

「じゃぁその育て方って一体どんなのよ!?」というのは、親としては気になるところですよね。

本ではいくつか言及されていますが、私が個人的に今後気をつけよう…というか反省したことは絵本の読み方です。

本ではアメリカの"中流階級の家庭の育児"と"労働階級の家庭の育児"を比較した研究について紹介されています。そこに書いてあったことを箇条書きでまとめると

  • 中流階級の親は労働階級の親よりも絵本を読んであげる機会が多い。
  • 中流階級の親は、本の内容と外の世界を結び付けられるように、子供に解説・質問をしながら読んであげる。(「あ、りんごだね〜、今日食べたね〜」「この後どうするんだっけ〜?」など)
  • 労働階級の親は読み聞かせの際に字を追う以外にほとんど会話をしない。むしろ人の話を聞くことを推奨して読み聞かせ中の会話を許さない。大人の会話に入ることを推奨しない。
  • 結果、中流階級の子供は自分で考えて積極的に話を作ったり、質問に答えたりすることができるようになる。
  • 労働階級の子供は知っている話を真似て話すだけになったり、受動的に話を聞くことを良しとしているので大人の質問に答えられなくなる。
  • 小学校前にこのように差がついてしまうと、学校ではどんどん差が開き、高学年になると、分類・分析・評価の能力などに大きく差がつく。
  • 労働階級の子供はやる気をなくして負のスパイラル。

というような趣旨だったかと思います。

 

私は正直この箇所を読んで焦ったんですよね。恥ずかしながら、あまり読み聞かせをする頻度が高くなかったので…。

絵本を読み始めても、まだ小さい子供は好きなページばかりめくってみたり、途中で飽きたりしてしまうので、「まだ早いのかな〜」なんて思ってしまっていたのです。

私自身合理的すぎるところがあり無駄が嫌いなので、そんな不毛に見える読み聞かせタイムを切り捨ててしまっていたんですよね。それなら私、家事している方が効率的だわ〜みたいな。でもその無駄はあくまで大人目線なわけです。

今後は読み聞かせそもそもをなくしてしまうのではなく、本人がその時気に入っているページだけでもいいので、それを題材にして存分にコミュニケーションを取ってあげようと反省しました。

そこから「絵本広げてるとお母さんが構ってくれるぞ」と楽しくなってくれれば、ますます絵本を好きになってくれて、さらに充実した親子の時間が築けるかもしれませんし。

コミュニケーションが大切であるというのは何も絵本に限ったことではないと思います。この著者の意見を基にすれば、Eテレで「いないいないばぁ!」や「おかあさんといっしょ」を見るときも解説や質問しながら一緒に見た方が良いですし、お出かけのときもその環境について話しかけてあげた方が良いです。

子供にEテレ見せながら自分は家事やスマホなんて、子供にしてみればあまりいいことではないわけです。うぅ、身に覚えが…。でも多少はどうしてもやってしまう…。

自分の子供の知能がどうなるのかなんて、今からわかったことではありませんが、やはり自分で考えて行動のできる子供にしたいと思っているので、母さん明日から心入れ替えるよ!

その他印象に残ったこと

著者はアメリカの大学の先生なので、本の中ではアメリカの教育に関して多くのページを割いています。

私たちは日本で暮らしていると「日本の今の教育方法はよくない!アメリカではこうだ!」という意見をよく耳にしたり目にしたりすると思います。

が、面白いことにこの本ではアメリカの教育における問題点がいくつも指摘されています。さらには東アジア(日中韓)人の知能の高さについても言及し、その理由を分析しています。

どこの国にもその国の課題があって、他の国と比較して評価すべきところがあるんですねぇ…と当たり前ながらに思いました。

ちなみに東アジア人の知能が高いのも遺伝によるものではなく、環境によるところが大きいと分析されていますよ。

まとめ

統計の基礎知識やアメリカの教育の背景を知らないと読み進めづらい本ではあります。

私は学生の頃にかじった統計知識で、統計に関してはなんとか理解しましたが、アメリカの教育の背景は無知なのであまり良く分からない箇所も多々ありました…。

しかし、そのようなヨクワカラナイ場所をすっ飛ばしてでも、育児中の親には得るものがある内容かと思います。

元々遺伝子関連の研究をしていた身、かつ東アジア人である私としては、アジア人の知能が高いのはなぜか?を分析していた章が特に興味深かったです。