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ハイスペ女子( )のよこしまな所感

元社畜・現育休中30歳OVER女子( )の日々の所感。

まとめサイトの"プロ"キュレーターをやってみた話

何か調べたいことがあってググると、キュレーションサイト(まとめサイト)がヒットしまくりますよね。

例えば「軽井沢 観光」とググると検索結果は以下の通り。(私のiPhoneにてググった結果のキャプチャです。)

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一番トップにこそ軽井沢観光協会の公式サイトがヒットしていますが、その次からは「Find Travel」「RETRIP」(TripAdvisorを挟んで)「MERY」「NAVERまとめ」…と、キュレーションサイトが続いていますね。

5年前…いや3年前でも考えられなかったことだと思います。昔は個人ブログや観光地のお店のサイトなどがヒットしていましたよね。

それくらいキュレーションサイトは爆発的に成長してきました。

 

こうしたキュレーションサイトの中の人(記事を書いている人)をキュレーターと言うそうです。私はかつて、キュレーターってマメ流行に敏感センスがいい人で、ブロガーがブログを書くがごとく、自発的に書いているものだと思っていました。

サイトによっては、記事のアクセス数やいいね数に応じて報酬が入るなどとは聞いたことがあったのですが、じゃぁ自分はその報酬をアテにして記事を書くほどの才能や時間があるか?と考えると、とてもそうは思えません。ズボラだし、流行はよく知らないし、センスも良くない。

しかしそんな私がある日"プロ"のキュレーターになってしまいました。 

ある日"プロ"のキュレーターになった

息子が生まれてからしばらく、彼につきっきりで自分の時間がない状態が続きました。家事はおろか、トイレにも行けず。

しかし息子が8ヶ月くらいになったあたりから、ようやく彼もまとまった時間寝るようになったり一人で遊ぶ時間が増えたりして、私にもわずかながら私の時間ができるようになりました。

空いた時間ができた私は何か仕事に向けてのリハビリになるようなことがしたいな〜と漠然と考えて、在宅ワーク紹介サイトに登録しました。

在宅ワークサイトに登録

そして在宅ワーク紹介サイトで旅行・グルメに関するライター募集の情報を見つけました。私は予てから旅行が好きSNSに自己満な旅行記をアップしていましたし、論理的な文章を書くこともいいリハビリになると思ったので、複数応募してみました。

はい、これらが実は某キュレーションサイトのキュレーターの募集だったのです。しかし応募した時にはそうだとは思っていませんでした。私の無知と言えば無知なのですが、募集情報を読んだ段階では「どのサイトで記事を書くのか」ということは伏せられていました。

採用の連絡は驚くほどすぐ来ました。そこで仕事の詳細を説明されて初めてキュレーターの募集だということがわかりました。キュレーションサイトの名前もそこで明かされました。いずれもかなりのメジャーどころです。焦りました。

キュレーターには"プロ"がいる

前述しましたが、私はキュレーションサイトの記事はマメで流行に敏感でセンスのある読者モデルのような素人が、私のようなズボラでダサい流行遅れの人間のために書いてくれていて、それでお小遣い稼ぎをしているんだと思っていました。

しかし、そうではないことを知りました。確かに想像していたような読者モデル的キュレーターも存在するにはするのだと思います。しかし実際にはキュレーションサイト運営側が雇っている"プロ"のキュレーターがいます。

「"プロ"のキュレーター」は私が勝手にそう表現しているだけなので、一般的に使われている言葉かはわかりません。以下に当てはまるキュレーターのことを勝手に"プロ"認定したいと思います。

  • 運営側が必要とする記事を必要とする時に書く
  • ノルマがある
  • マニュアルに則った記事を書く
  • 報酬は1記事あたり固定制(サイトによってはボーナス有り)
  • 表立って募集されていない(在宅ワークのサイトにしか出てこない)
  • "プロ"であることは隠す約束(一般キュレーターを装う)

"プロ"キュレーターとは対照的に一般キュレーターは運営側の意向とは無関係に好きなテーマで好きな時に好きな量だけ記事を書くことができます。(もちろん最低限の守るべきルールはありますが。)

うっかりそんな"プロ"キュレーターの応募してしまった私は動揺しつつも、乗りかかった船で仕事を引き受けることにします。しかも複数サイト。まさか全部採用されると思っていなかったので複数応募してしまったんですよね。

ちなみにマニュアルのおかげでズボラでダサい流行遅れの人間でもそれらしいキュレーターになることができます。

"プロ"キュレーターのお仕事

せっかくなので"プロ"キュレーターの仕事の流れを説明したいと思います。

①書くネタを決める

運営側が用意したネタリスト的なものが"プロ"キュレーターたちに提供されます。各自はそのリストの中から早いもの順で書くネタを決めます。自分でネタを勝手に決めることはできません。あくまで運営が用意したものの中から選ぶのみ。

ネタはキーワード形式になっているのが普通です。例えば、私は旅行・グルメ系記事担当のキュレーターだったので、「軽井沢 宿」「銀座 おすすめ レストラン」のようなキーワードリストが提示されていました。

②記事を書く

キーワードを選んだら、マニュアルを基にして指定のキーワードを含む記事を書きます。

"プロ"キュレーターは体験がなくても、あたかもよく知っていることかのように記事を書かなくてはなりません。それができるようマニュアルが整備されています。タイトルのつけ方やキーワードの盛込み方などルールが決められています。

軽井沢に行ったことがなくても「デートで行きたい!軽井沢の宿5選」を書かなくてはなりませんし、銀座なんてよく知らなくても「女子会におすすめ!銀座のおしゃれレストラン5選」を書かなくてはなりません。

情報や画像はひたすらネットから集めます。TripAdvisorや食べログのような情報サイトだったり、個人ブログだったり、InstagramなどSNSから集めることが多いです。

マニュアルとネットのおかげでズボラでダサい流行遅れな私でも、それなりに見栄えのいい記事を書くことができます。

③運営側に提出

記事を書いたら運営側に提出します。するとチェック係が内容をチェックして、公開するレベルに足りているか、問題のある引用はないかなどを確認し、キュレーターにフィードバックします。修正点が完全になくなれば、1記事の作成が終了となります。

ちなみにチェック担当者は運営会社の正社員なのか、はたまたキュレーターと同様に在宅ワーカーだったのか、謎のままです。

チェックの厳しさはサイトによってマチマチでした。

④数記事たまったら報酬ゲット

ある程度まとまった数の記事が書けたら報酬がもらえる仕組みになっていることが多いようです。例えば1000字程度の20記事で10000万円といった感じです。報酬は在宅ワーク紹介サイトを介して支払われます。

また"プロ"キュレーターには締め切りがあり、早くノルマを達成できるほど歓迎されます。ノルマ達成が早いとボーナスをもらえるサイトもありました。

"プロ"キュレーターは儲かるのか

地道な作業ができて締め切りを守れる人であれば報酬は確実に貯まっていきます。

昇給制度もあるので長く続ければ報酬もアップしますし、だんだん作業に慣れて記事作成にかかる時間も短くなるので、時給換算した場合の"割の良さ"もよくなっていきます。

ただ、どんなにバズる記事を書いたとしても貰える報酬は決められた値段のままです。

マメに流行に敏感なセンスのいいバズる記事を量産できるような人は"プロ"活動しない方が儲けられるのかもしれません。

ここが嫌だよキュレーションサイト

よくわからないままに"プロ"キュレーターとなった私は、しばらくその仕事を続けていました。しかし、だんだん嫌気がさしてきたのでスッパリと辞めてしまいました。今はもうやっていません。

"プロ"キュレーターをやっていて嫌だったことをまとめてみます。

①やっぱり体験していないことは書けない

当初無知だった私は、自分の体験したことをネタに記事を書けばいいと思っていたんですよね。軽井沢に行ったことがある人が軽井沢ネタを書いているのだと思っていました。しかし実際は体験したことがない人があたかもよく知っているかのように書く必要があります。

バカ真面目な私はそのスタンスがだんだんと辛くなってきました。

運営側から提供されるネタリストの中には「体験したことがあるもの」も含まれていました。そうしたネタを基に記事を書くのは楽しかったですし、捗りました。

しかし期限内にノルマ達成するにはどうしても「体験したことがないもの」について書かねばなりません。よく知らない街や宿について知ったかぶりして記事を書くのは、時間もかかりますし 、自分自身が内容に納得できません。

しかもそのやっつけ記事のアクセス数が伸びたりイイネがついたりすると、複雑な気持ちになりました。

②パクリはしたくない

先の「体験していないことは書けない」にも通じるのですが、「体験していないもの」について記事を書くには人のブログやクチコミをパクるしかありません。

行ったこともないレストランについて、食べログで調べた情報だけを基にして「ワインの種類が豊富です」「雰囲気が良いし景色も良くてデートに最適」「カルボナーラがオススメ」なんて憶測で書いているの、バカバカしくないですか?

私は、上手かは別にして文章を書くのが好きですし、自分の使う言葉や文章には責任・プライドを持ちたいと考えています。なのでどうしても他人の言葉を無責任に引用したり改変したりすることが許せなくなってしまいました

また記事を完成させるためには、大して評判が良くないレストランもあたかも良いレストランのように書かねばならないことも多く、事実を捏造をしている自分も嫌になりました。

③バズっても過疎っても一律料金

私は仕事大好き人間です。でもただただタスクを淡々とこなすことが好きなわけではありません。成功して評価されたいですし、失敗すれば責任を取ることは当たり前だと思っています。

しかし、"プロ"キュレーターには成功も失敗もありません。書いた記事がバズっても評価されることはありませんし、過疎ってもその責任を問われることはありません。ただとにかくマニュアルに沿った記事を量産することが求められます。

そんな責任感の要らない環境で、だんだんとモチベーションが保てなくなってしまいました。

記事の執筆という、一見頭を使いそうな仕事だったのですが、むしろ何も考えなくていい仕事のように思えて、この仕事やるの私じゃなくてもいいよねという結論に達しました。

キュレーションサイトを疑え

こうした嫌な部分が自分の中で大きくなったので、私は"プロ"キュレーターを辞めてしまいました。

以降、キュレーションサイトを見る観点が変わってきました。

キュレーターをやる前まではキュレーションサイトを面白く読むこともあったのですが、最近はこれって私みたいなイケテナイ奴が小遣い稼ぎのために知ったかぶりして書いてるだけなんじゃないの?と疑うようになりました。

試しによく知っている街(例えば家の最寄駅や学生時代に過ごした街など)のレストランについてググってみてください。

何かしらのキュレーションサイトがヒットすると思います。その中を見てみると「いや、こんなレストラン、地元民の私でも知らねーわ」「確かにキャンパス近くにこの店あったけど人が入ってるの見たことねーわ」と言いたくなるような、信ぴょう性の乏しい情報で溢れていたりします。

もちろん納得できる情報が集められている記事もあります。

まとめサイト、キュレーションサイトって閲覧する側からすると確かに便利なんです。情報がコンパクトにまとめられていますし、おしゃれな写真を見ているだけでワクワクできます。

しかしそれを鵜呑みにしすぎるのはやめた方がいいです。経験上、"プロ"キュレーターは想像するよりたくさんいます。小遣い稼ぎのために無責任にやっつけで書かれた記事はかなり存在していると思うのです。

そして私はブログを始めた

キュレーションサイトからは足を洗った私は、文章を書くリハビリならブログでいいんじゃないかという結論に至りました。

好きなことを好きなタイミングで書けばいいわけです。

そりゃお金は好きですけど、報酬がもらえれば何しても心が満たされるわけではないことを学びました。

ブログにて、そこそこの頻度で自分が体験したこと考えたことを自分の言葉で書くようになっておよそ2ヶ月弱経ちました。自己満といえば自己満なのですが、楽しいと感じますし、これからも続けたいな〜と思っています。

人のブログを読むことも増えて知的刺激も増えたな〜と感じています。というかはてなブログ楽しい。

結論としては"プロ"キュレーター辞めて良かったです。

"プロ"キュレーターに興味のある人へ

ここに書いたことは私一人の体験談に過ぎません。"プロ"キュレーターはたまたま私に合わなかっただけかもしれません。

興味のある人は在宅ワーク紹介サイトに登録してみると色々見つかると思います。

www.lancers.jp

www.shufti.jp

このあたりですかね。

ちなみに"プロ"キュレーター以外にもネットの怪しげな仕事が見つかったりします。クチコミのサクラとかオークション出品代理とか…。

私個人的には全くオススメしませんがw